Saturday, November 10, 2007

大学完全封鎖LRU法

Blocage de Rennes 2
11月6日の挙手投票の様子、建物ごとに封鎖するか投票が行われた。

11月6日(火)にレンヌ大学で行われた挙手による投票の結果,大学が即日閉鎖されました。外国人向けの授業等を除き,講義は一切行われていません。唯一封鎖されていない、外国人向けの授業のある建物に入るには,学生証の提示が求められるため,フランス人や学部留学生は入ることが出来ません。

この動きは,大学に関する新しい法律(LRU "relative aux Libertés et Responsabilités des universités" 大学の自治と責任に関する法(通称 la loi d'autonomie 自治法)に対するもので,多くの学生はこの新法に不安を覚え,大学封鎖をして新法の撤回を訴える道を選びました。

この自治法は,大学の運営費の負担を今までの政府から企業に移し大学の民営化をはかるものです。資金提供先が変わることに何の問題があるのでしょうか。フランスの大学は公立が殆どです。学費が日本やアメリカに比べて格段に安く,法学部でも年間5万円程度です。生活面でも学生は住宅補助が受けられたり,大学内のレストランは格安で食べられます。このように、学生は金銭的な負担が少なく,学業に集中できる環境が用意されています。
大学が企業の提供で運営されることになれば,この状況が変わる可能性があります。大学と企業が密接な関係になれば、インターンの機会が増えることになるでしょう。インターンはその後の採用に繋がる可能性のあるものですから、企業としては、受け入れるなら優秀な人材がほしいでしょう。優秀な人材を求めて名前の知れた、レベルの高い大学に企業の人気が集中することが予測されます。その場合,人気の低い大学は企業からの融資が少なく,資金不足に陥る可能性があります。その結果,学費の高騰が起こり,学生への負担が増大することが懸念されます。また,外食店の学内出店により食費の負担が増えることも考えられます。このような大学間の格差,学費の高騰に学生は不安を覚え,新法に反対し大学封鎖やデモに乗り出したのです。

11月6日(火)挙手による投票で大学封鎖が決定。封鎖が決定するなり,次々と建物の入り口が椅子や机でブロックされました。→封鎖準備の様子のビデオ
翌7日(水)大学封鎖を続けるかどうか,学生証提示による投票を翌日行うことを決めました。
翌8日(木)投票は翌週月曜に延期され、大学封鎖は少なくとも月曜の夕方まで続くことが決まりました。この日、市街でデモがありました。

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